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能登半島地震から4ヵ月半-「子どもの時間」を失う子どもたち【エファ通信271号】

4月はカンボジアとラオスのお正月。エファのラオス事務所や協働で事業を行っている現地NGOの事務所も1週間ほどお休みでした。
 
カンボジアの正月の始まりは毎年、時間が異なることをご存じですか?日本は1月1日が新年ですが、カンボジアは新年が始まる日も変わることがあります。
 
その理由は、カンボジアの正月は「その年の女神が地球に降臨する日時によって決まるから」です。
 
2024年は今年の女神のモホタレック・テヴィが降臨する4月13日(土)22時24分が新年の開始日時となります。
 
女神は右手に円盤、左手に三叉槍を持っています。青い服を着て、首にはサファイアを身に着けています。乗り物は孔雀で、好きな食べ物は鹿肉とのこと。
 
性格が穏やかな女神だったら平和な年になるのですが、性格がきつい女神だと災害が起こったり、いざこざが起きるといわれています。
 
今年の女神は穏やかな方であることを願います。
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エファは、視覚に障害がある方はもちろん、加齢などにより文字が見えにくい方、発達障害のある方など活字による読書が難しい方に対し、文字や音声、画像を同時に再生できるデジタル録音図書である「マルチメディアDAISY」を活用したメルマガをお届けしてまいります。
 
能登半島地震から4ヶ月半 - 3市2町を回って

プログラムマネジャーの鎌倉です。カンボジアとラオスはお正月期間となり、現地とのやり取りが落ち着くこのタイミングで、能登半島を回りました。

 

エファは年に最大5日間活用できる特別休暇「災害ボランティア休暇」の制度があります。これを2日間活用しました。

 

現地では、地元の新聞社「北國新聞」から話を聞いたり、避難所となっている図書館や書店を回りエファが重点を置いている「本」の環境について見て回りました。

最初に聞いたことが記憶に残り続けるが、時が経てば状況は変わる

 

1月1日に地震が起きてからずっとずっと心には能登がありました。

 

ただ当時、繰り返し報道されたのは道が遮断されていること、現地にボランティアとして入ろうとすると支援物資を運ぶ緊急救援車両の邪魔になること。

 

それが記憶にあり、ためらっていました。

 

ただ東日本大震災の発生から3週間後に現場に入り、その後、2015年いっぱい関わっていた経験から考えたのは「時が経てば状況は変わる」こと。特に懸念していた道路状況については国土交通省の道路復旧見える化マップが役に立ちました。 

 

令和6年能登半島地震 道路復旧見える化マップ(国土交通省)

https://www.mlit.go.jp/road/r6noto/index2.html

 

震災直後発生した火事で焼失した輪島朝市

仮設住宅の整備はまだ3割しか進んでいない

 

今回は富山県の富山駅でレンタカーを借り、石川県七尾市、穴水町、能登町、珠洲市、輪島市を回りました。以下が私のスケジュールです。

 

4月14日(日)

東京駅から富山駅に移動。石川県七尾市、穴水町、能登町、珠洲市を回る。珠洲市にある能登半島の北端を回り、富山市泊まり。

 

4月15日(月)

石川県七尾市、穴水町、能登町、珠洲市にある書店を中心に回る。珠洲市では北國新聞支社長から話を聞く。金沢市泊まり。

 

4月16日(火)

石川県輪島市を訪問。その後、珠洲市にある能登半島地震の震源地そばまで行く。富山駅に戻り、東京へ移動。

 

まだ損壊した家の取り壊しなどは行われていないところが大半です。また仮設住宅もいまやっと設置が進められていました。必要な数の3割程度しか完成していないと、北國新聞の珠洲支社長から聞きました。

 

4ヶ月半がたちましたが、いまだに避難所での生活を余儀なくされている人がいます。

隆起したマンホールをいたるところで目にする。夜間の運転は控えたほうがよい

「子どもの時間」を失う子どもたち

 

珠洲市、輪島市では断水が続いています。水道と下水が復旧しないことが、生活再建に向けた大きな足かせとなっています。 

 

そのため、金沢市など比較的被害が少なかった都市部での避難生活を選ぶ人たちもいるようです。

 

「子どもたちの3割が震災後、移動しました」とのこと。話をうかがった北國新聞の珠洲支社長が続けて言ったのは

 

「珠洲市に残った子どもたちが"ここに残った自分は貧乏くじを引いた"と思わないでほしい」

 

「仮設住宅の建設先は、学校の校庭など。子どもたちが体を動かす機会が減る」

 

と、語ってくれました。

 

子どもが子どもらしく遊んだり、体を動かす時間が減る-これは東日本大震災の現場でも課題となっていたことです。

 

このタイミングで仮設住宅の整備も進んでいない中、仮設住宅ができてもそこでの生活が長期化することが予想されます。

 

狭い仮設住宅の中では、ものを増やすことができません。物資の配布が、居住環境を狭めてしまう可能性もあります。

 

物資の配布ではなく、「貸し借り」ができる仕組みである、図書館の復興に期待しています。

1階部分が倒壊した輪島市の大下書店
穴水町の水越書店は完全に建物が倒壊した

夢を持つことをあきらめてほしくない

 

北國新聞社で本の話になったとき「本を読むことで、子どもたちの安らぎや、ワクワク感を持つ機会につながれば」という話をしてくれました。

 

これから長く続くであろう復旧・復興の過程の中で、悩んだときに目の前に「情報」という光を届けてくれる本との出会いがあることで、一歩前に進もうと思えるかもしれない。

 

笑いたいときにはコミックを、ちょっと大人になって恋した時には小説をー。

 

生活のそばに本があってほしい-「本がつくる、キミの未来のものがたり」は日本でも生まれていってもらいたいと強く願う、能登半島訪問となりました。

 

エファは現地での直接的な活動は行っていませんが、何かできることはないかと考える機会となりました。

 

3日間という短い時間でしたが、見てきたこと、感じたことをお伝えする報告会を開催したいと考えています。またこのメルマガでお知らせします。

珠洲市にある能登半島地震の震源地そば。海岸隆起により、海岸線が沖に移動した
能登半島地震から5ヵ月-能登半島3市、2町のいま
<5月1日(水)19:00から>

4月14~16日に能登半島を回り、読書環境についての調査を行った鎌倉の報告会を、5月1日(水)19:00~20:00に、オンラインで報告会を開催します。

 

メディアでの報道が減り、なかなか情報が入らない状態ですが「いまの能登半島の状況」をお知らせします。

 

報告会概要

■日時:2024年5月1日(水)19:00~20:00

 

■場所:オンライン

※後日、Zoomのリンクをお送りします。 

 

■プログラム:
・能登半島地震、現地のいま(鎌倉)
・震災、復興、そして本を取り巻く環境(関×鎌倉)
・質疑応答

 

■参加費:無料

 

■詳細・お申し込みはこちらから

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